加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』3月24日(金)発売

【第20回 開高健ノンフィクション賞 最終候補作】
「国境なき医師団」小児科医のエボラとの壮絶な戦いや葛藤、かわいい患者のこどもたちの姿を通し、
生命とは何か、利他とは何かを考える感動のノンフィクション。


人類とエボラの死闘、こどもたちは––––。
国境なき医師団の小児科医、汗と涙の記録。

2014年、西アフリカのシエラレオネ。人類と、致死率60%とも90%とも言われるエボラとの戦いは想像を絶していた。人員も設備も不足した現場では、誰に看取られることもなく、多くの命が失われていく。
著者はこの数カ月前、南スーダンで活動していた。溢れかえるマラリア患者、病室の床まで埋め尽くす新生児破傷風患者などが、バタバタと命を落としていく。その現状に圧倒され、無力感と敗北感に囚われ帰国。帰国後は、PTSDに苦しみ、生きる意味を見失い、仕事や家族など多くの大切にしてきたものをも手放した。
そんななかで参加したエボラの活動。
40度近い気温のなか、防護服と二重の手袋、ゴーグルを着けて何リットルもの汗をかきながら治療にあたったが、できることは限られている。ここでも医師としての無力感に苛まれ、国際社会への疑念も生じた。だが家族を失くしながらも必死にエボラに立ち向かい、他のこどもの看病をするこどもたちとの関わりを通して、著者の生きることへの疑問は次第に薄れていく。
しかし、そんな著者を待ち受けていたのは意外な結末だった。

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